椅子に座り、楽譜を開いて弾く。四十分後、ふたを閉じながらそれなりに満足する。今日も練習した、と。けれど「何を直したのか」と聞かれたら、答えに詰まるはずです。曲を頭から三回通し、毎回同じ二か所でつまずき、それでもそのまま先へ進んだ。
練習時間の大半はこうして過ぎていきます。時間を積み上げているのに何年も足踏みしてしまう人が多いのは、そのためです。伸び続ける人と、ただ弾いているだけの人を分けるのは、才能であることはほとんどなく、時間であることも稀です。分けるのは注意です。
弾くことと練習することは違う
曲を通して弾くと生産的に感じます。音楽が出てくるからです。楽器から聞き覚えのある響きが出て、時間は心地よく流れ、記録には四十分と残る。けれど通し弾きが主にしているのは、いまある姿のままの曲をなぞることです。まだ弾けない部分も含めて。
本当の練習は音が違います。二小節を何度も繰り返す。片手だけで弾く。何かが噛み合わずフレーズの途中で止まる。弾くことほど楽しくはないし、進んで聴きたい人もいません。上達している時の音は、だいたいそういう音です。
練習を「意図的」にするもの
熟達がどう生まれるかを研究してきた人たちは、意図的な練習を四つの特徴で説明します。そしてその四つはどれも、平日の夜のアマチュアにも十分手が届くものです。
具体的な的があること。「ソナタ」ではなく「34小節の左手の跳躍」です。課題は今できることのすぐ外側にあり、全力の注意を要求するくらい難しく、一回のセッションで達成できるくらい近い。即座のフィードバックがあり、一回試すたびに成否がわかる。そして、希望を込めた反復ではなく、修正をともなう反復があること。

Go Practice Musicの練習履歴。すべてのセッションが特定の曲に記録されるので、自分の注意がどこに向いていたかが正確に見えます。
練習の単位を小さくする
多くの人にとって最も効く変更は、もっと小さいものに取り組むことです。楽章ではなくページ。ページではなくフレーズ。フレーズではなく小節。小節ではなく、毎回崩れる二つの音のあいだのその一箇所。
フィードバックが成り立つのも、的が小さいときだけです。一小節ならはっきり聴き取り、正直に判断できます。一ページは評価するには速すぎる。小さな的は「勝てる」的でもあります。何かを実際に解決してセッションを終えられる。一時間弾いて何も良くならなかった感覚より、はるかに良い。
先に尽きるのは注意力
意図的な練習が高くつくのは分数ではなく集中力です。多くの大人が本当に集中していられるのは二十分から四十分ほど。そのあとは静かに質が落ち、手が勝手に動き始めます。
忙しい人には朗報です。集中した十分は、自動操縦の一時間より価値があります。同時にこうも言えます。疲れているとき、気が散っているとき、別のものを横目で見ながらの練習は、安上がりな練習ではありません。別の活動であり、積み上がりません。
何をやったかを正直に残す
意図的な練習は、自分がどこを通ってきたかを知ることから始まります。そして記憶は当てにならない証人です。放っておくと練習は楽なほうへ流れます。すでによく鳴る曲が時間を集め、難しいページのある曲は静かにゼロのままになる。
Go Practice Musicは、レパートリーの曲ごとに練習履歴を残します。セッション、日付、そして曲ごとに積み上がった時間。今月ある曲に四時間、別の曲に十一分しか使っていないと気づくのに、十秒もかかりません。役に立つ形で居心地が悪く、次の判断がはっきりします。
明日の自分にメモを残す
セッションの終わりに、ひとつだけ決めてください。次回どこから始めるか。34小節、片手ずつ、ゆっくり。書き留めた瞬間、この一文は練習で最も無駄になる部分を消します。何を練習するか決めるだけの最初の十分、たいてい「曲を頭から弾く」で終わってしまうあの時間です。
偶然うまくなる人はいません。一小節を選ぶ。正しく弾ける速さまで落とす。実際に何が起きたかを聴く。ひとつ直して、そのセッションを曲に記録しておく。明日の自分がどこで止まったかわかるように。それで完全で正直な練習が一回成立し、十分の中に収まります。
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