練習についての助言の多くは「始め方」に関するものです。ウォームアップをする、目標を決める、ゆっくり始める。ところが「終わり方」についての助言はほとんどありません。この一週間を振り返ってみてください。気持ちよく思い出せる練習と、できれば忘れたい練習を分けているのは、たいてい一つのことです。練習時間の長さでも、途中の出来でもなく、最後の数分に何が起きたかです。難しい箇所がようやくつながって終わった練習は、前進したように感じられます。同じ練習でも、その2分後に崩れた通しで終わっていたら、一晩を無駄にしたように感じます。練習の中身は何ひとつ変わっていません。変わったのは終わり方だけです。
練習の記憶は最後に書き込まれる
人は経験を、一分ごとの平均としては記憶しません。もっとも強烈だった瞬間と最後の瞬間を覚え、その二つで全体を代表させてしまいます。心理学ではこれをピーク・エンド効果と呼び、休暇や歯医者の予約に当てはまるのと同じように、練習にも当てはまります。楽器の前で最後にしたことが、コーダを6回目に弾き損ねることだったなら、持ち帰るのはその感情です。そしてさらに重要なことに、翌日また座ろうかと考えたときに出迎えるのも、その感情なのです。
これが大切なのは、練習でいちばん難しいのが練習そのものであることは滅多にないからです。難しいのは「戻ってくること」です。小さくても本物の成功で終えた人は、気づかないうちに明日の決断を楽にしています。苛立ちのなかで終えた人は、そんなつもりはまったくなくても、明日を難しくしてしまっています。
「うまくいったところで終える」の本当の意味
自分を甘やかすという意味ではありません。何年も前に覚えた易しい曲をご褒美に弾くのは心地よいものですが、何も身につきませんし、誰もごまかせません。本物の成功とは、練習を始めた時点ではできなかったことが、終わる時点では——ゆっくり、丁寧に、きれいに——できるようになっていることです。正しい運指で迷いなく弾けた半分のテンポの4小節も成功です。厄介なポジション移動を3回続けて決めたことも成功です。大きさは問題ではありません。正直さが問題なのです。
目安は単純です。その日の最後の一回は、正しい一回であること。まだ崩れるなら、持ちこたえるところまでテンポを落とし、一度きちんと弾いて、そこで止めます。自分に甘くしているのではありません。手と記憶が一晩のあいだ何を抱えていくかを、自分で選んでいるのです。
まだうまくいっているうちにやめる
ようやく何かがうまくいくと、さらに押し進めたくなる誘惑は強いものです。もう一回、少し速く、今度はページ全部を。ところが、まさにそこで崩れることが非常に多いのです。疲れていて、集中力は薄れ、さっきうまくいった一回は、体に残っていた最後のきれいな一回だったからです。崩れたところで終えれば、その直前の成功は消えてしまいます。
経験を積んだ演奏者は、その瞬間を見極めて席を立つことを覚えます。悪い一回ではなく、良い一回でタイマーを止める。これは意識して身につける価値のある習慣です。最初は不自然に感じるでしょう。けれどそうすれば、「また戻ってきたい」という気持ちで楽器を離れられます。「やっと終わった」という安堵で離れるよりも、ずっと良い状態です。

崩れた一回ではなく、きれいに弾けた一回でタイマーを止めましょう。セッションは曲ごとに記録され、明日は今日終えた場所から始まります。
明日の自分にメモを残す
最後の5分のもう一つの役割は、次に練習する人への引き継ぎです。その人とは明日の自分であり、今日発見したことを何ひとつ覚えていません。本当の問題はどの小節だったか。結局どの運指がうまくいったか。どのテンポなら持ちこたえたか。こうした細部は書き留めておかないと一晩で蒸発し、次の練習の最初の10分を、それを探し直すことに費やすことになります。
一行で十分です。「17〜20小節、左手、60 bpm、親指を軽く」。Go Practice でセッションを曲に記録して練習時間を残し、その一行は明日いちばん最初に目に入る場所に置いておきましょう。そうすれば次の練習は、ページの先頭からではなく、今日終えた場所から始まります。数週間もすれば、その一行一行が「一曲が実際にどう身についていったか」の記録になり、単なる合計時間よりはるかに役に立ちます。
締めくくりを儀式にする
儀式が効くのは、決断を不要にしてくれるからです。5分間の締めくくりはこんな形でよいでしょう。今日の目標箇所を、ゆっくり正確に一度弾く。好きな曲を1分だけ弾いて、なぜこれをしているのかを思い出す。次にやることを一行書く。タイマーを止める。それだけです。調弦より短い時間で済み、しかもすべての練習の形を変えてくれます。
得られるものは劇的ではありません。今日うまく終えたからといって、明日うまく弾けるわけではありません。けれど、そもそも明日弾く可能性はずっと高くなります。そして、実際に行われた練習は、前回の終わり方が悪かったせいで避けてしまった、より長い練習に必ず勝ちます。よく練習すること。そして同じくらい丁寧に、よく終えること。
今日から、もっと賢く練習
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